わが家の猫の糖尿病日記です。

飼い主のお腹の上に乗る退院したての猫
飼い主のお腹の上に乗る退院したての猫12歳

ものすごい量の尿玉だった

2024年の夏。
うちの猫トイレは固まる鉱物なので、トイレ掃除をすればゴロリと玉になったものが出てくる。
スコップに乗る土くれが4個。
4キロのメスが4キロの尿玉、ちっこ玉を排泄した。

そして、やたら水を飲む。いつもいつも水を飲んでいる。
もう絶対おかしい。
きっと前兆はあったのだろう。でも、病気はいつも唐突に突然にやってくる。
重い気分で猫をリュックにいれて前に抱え、動物病院へ急いだ。

もともと、ウチの猫は膀胱結石持ちで、それが発覚した時も大騒ぎしたのだ。
トイレを往復しても排泄できない。
病院へ行くと膀胱炎のうえ、膀胱結石でもあった。
治療通院は猫も飼い主も消耗した。

キャットフードを療養食に変え、家中どこでもお水が飲めるようにして結石を持ちながらもなんとか落ち着いて生活していたのに…。

シニアな猫

うちの猫はロシアンブルー。メスで今年12歳。
可愛い可愛い美人猫である。

気位高く、食いしん坊で好奇心旺盛。
人の肩に軽々とジャンプしたかと思えば、べったり低くなってソファの下へもぐりこむ。
しなやかできらめいていて、温かく、水のように身体をあちこちに沿わせる。
美しい顔立ち、その横顔。
なんといっても深いグリーンの瞳に心震える。
ゴロンと寝ころび光る緑色を見るのは、ロシアンブルーと暮らす幸せの一つだ。

嬉しいのは我々飼い主を下僕として扱ってくれること。
身体に触ることを許してくれ、人間のお腹にのぼってくれ、捧げるエサを食べてくれる。
ありがたい、下僕冥利に尽きる。

そんな日々がガラリと

変わってしまった。

水をガブガブ飲んで、私たちが「ちっこ玉」と呼ぶ尿のかたまりがどんどん大きくなり、回数も増え、ああこれはダメだ、何かが起きてる!

ワクチンや健康診断でお世話になっている動物病院へ行き、すぐ血液検査をした。
様子を説明して血糖値を測ってもらうと600を超えていた…!
「糖尿病ですね」
と、糖尿病…!? なんで!?
「入院して血糖値のグラフを作って、食事量とインスリンの量を決めて行きます」
もっときちんと説明してもらった気がするけど、もうこっちは混乱してなんでなんでなんで?

できるだけ自分の心を見ないようにした。
恐ろしすぎて何も考えたくなかった。
猫を入院させるなんて!
動物病院のM先生に深く頭を下げ
「(どうかどうか助けて下さい。どうかあまり猫が恐がりませんように。どうかどうか)よろしくお願い致します」と短い挨拶をして、夫と病院をあとにした。
猫を抱えず病院を出たのは初めてだった。
涙が止まらなかった。

猫の名前はルチアだ。